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御朱印帳が、そろそろいっぱいになってきた。
そんな方から、次はどんな御朱印帳を選べばいいのか、と聞かれることがあります。
答えは、正直ひとつではありません。
ただ、元神職として何百冊もの御朱印帳を手にしてきた立場から言えることはあります。それは「どこで買うか」より先に、「どう選ぶか」を知っておいたほうがいい、ということです。
この記事では、御朱印帳を単なる「かわいい表紙のノート」としてではなく、参拝を重ねていくための道具として、選び方の基準をお伝えします。

御朱印そのものの意味やいただき方については、以前「御朱印の意味ともらい方|元神職が教える初心者マナー入門」で書きました。今回はその一歩先、道具選びの話です。
なぜ御朱印帳を選ぶことが大事なのか
御朱印帳は、消耗品ではありません。
一冊を使い切るまでに、早い人で半年、ゆっくり参拝する人なら数年かかります。その間、御朱印帳はあなたの参拝の記録であると同時に、神職や巫女がその場で墨を入れる「作品」を受け止める場所でもあります。
安価な紙のものを選んでしまうと、墨がにじんだり、裏写りしたりすることがあります。せっかくいただいた御朱印が、経年で読みにくくなってしまうのは、少しさびしいものです。
道具を選ぶという行為は、向き合い方そのものだと感じています。何にお金を使うかではなく、何を大切に持ち続けたいか。御朱印帳選びには、そういう問いも含まれているように思います。
御朱印帳を選ぶときの5つの基準
① サイズ
御朱印帳には、大判(約18×12cm)と小判(約16×11cm)があります。
多くの神社・お寺は大判サイズに対応していますが、一部の古い御朱印帳は小判サイズしか使えないところもあります。迷ったら大判を選んでおくと、書いていただける範囲が広がります。
② 紙質
墨のにじみを防ぐには、和紙、それも厚みのあるものが向いています。目安として、1ページの厚みが0.3mm前後あるものは、裏写りしにくい傾向があります。
書店やインターネットの説明欄に「墨うつりしにくい」「厚口和紙使用」といった記載があれば、そこを確認してみてください。

実際に朱印を書く側に立つと、この違いはよくわかります。和紙は墨をすっと吸い込んでくれるので、筆が滑らかに運びます。一方、洋紙に近い紙質だと墨がなかなか染み込んでいかず、筆先が引っかかったり、線がかすれたりすることがあります。無理に墨をのせようとすると、今度は隣の白いページに写ってしまうこともあります。
墨書きしやすい和紙で書いていただいた御朱印は、字そのものにも表れます。後から見返したとき、その一冊がきれいに残っているかどうかは、紙質にかなり左右されるものです。記念として手元に置いておくものだからこそ、書き手にとっても書きやすい紙を選んでおきたいところです。
③ 表紙の素材
布張り、木製、金襴(きんらん)など、素材によって手触りも耐久性もかなり変わります。
布張りは軽く扱いやすい一方、水濡れにやや弱い面があります。木製は重みが出ますが、そのぶん長く使い続けられる印象があります。旅先で頻繁にカバンに出し入れするなら、軽さを優先するのもひとつの考え方です。
④ 蛇腹式か、綴じ式か
御朱印帳の多くは蛇腹式(じゃばら式)で、開くと一枚の長い紙が連なっています。両面に書いていただけるうえ、広げて全体を眺められるのが特徴です。
綴じ式はノートのように片面ずつめくるタイプで、片面のみに書いていただく前提になっていることが多いです。どちらが優れているというより、参拝の記録をどう振り返りたいか、で選ぶものだと思います。
⑤ カバーの有無
御朱印帳は紙製品です。雨や汗、カバンの中の水濡れで傷むことがあります。
ビニールや布のカバーをつけておくと、日々の扱いがぐっと楽になります。最初から専用カバー付きで販売されているものも多いので、購入時に確認しておくと安心です。 <!– box-point想定:ゼロクリック対策・記事内限定情報 –>
ここは検索してもなかなか出てこない話ですが、神社によって「持ち込みの御朱印帳をお断りする」ケースがまれにあります。多くは、その神社・お寺オリジナルの御朱印帳を勧める意図によるものです。事前に公式サイトやSNSで確認しておくと、参拝当日にあわてずに済みます。
具体的なタイプ別の選択肢
用途別に、代表的な4タイプを整理してみます。
| タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| シンプル無地タイプ | 無地や淡い色の布張り。汎用性が高い | どんな神社にも持って行きたい人 |
| 和柄・伝統柄タイプ | 桜や波、青海波などの伝統文様 | 見た目も含めて楽しみたい人 |
| 神社オリジナルタイプ | その神社でしか手に入らない一冊 | 思い出の神社の一冊から始めたい人 |
| 木製・特殊素材タイプ | 木や漆などを使った重厚な作り | 長く一冊を使い続けたい人 |
最初の一冊であれば、シンプル無地タイプか、思い出深い神社のオリジナルタイプから始めるのを、個人的にはおすすめしています。柄が凝っているものは素敵ですが、使ってみて初めて「自分にはもう少しシンプルなほうが合っていた」と気づく方も少なくないからです。
迷ったら、まずは書きやすい和紙タイプから
この記事で触れた「墨うつりしにくい厚口和紙」を使った御朱印帳は、通販でも手に取りやすい価格帯で見つかります。最初の一冊を選ぶ参考にどうぞ。

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元神職としての実体験
かつて社務所で御朱印を書く立場にいたとき、いろいろな御朱印帳を目にしてきました。
なかには表紙がすでにボロボロになるまで使い込まれたものもありました。持ち主に聞くと、「10年前に初めて参拝したときに買った一冊で、もう三冊目に入るところなんです」と、少し照れくさそうに話してくれたことを覚えています。
御朱印帳は、消えていく参拝の記憶を、目に見える形で残しておける数少ない道具です。だからこそ、値段の高さや見た目の華やかさより、「これを長く持ち続けられそうか」という感覚を、選ぶときの軸にしてほしいと思っています。
私自身は、あえて無地に近い一冊を選びました。参拝先のご朱印の色や書体そのものが引き立つように、という単純な理由からです。答えは人それぞれでいいのだと思います。
お守り・参拝マナーとあわせて
道具の選び方という意味では、「神社のお守りの正しい扱い方」もあわせて読んでいただくと、参拝でいただくものとの向き合い方が、もう少し具体的に見えてくるかもしれません。
参拝そのものの作法については、「神社の正しい参拝方法」にまとめています。

おわりに
御朱印帳選びに、正解はありません。
ただ、一冊を選ぶという行為の中に、これからどんな参拝を重ねていきたいか、という自分自身への小さな問いかけが含まれているように思います。
次にどこかの神社を訪れるとき、その一冊を鞄に入れて出かけてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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