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「海に浮かぶ神社」と聞いて、厳島神社を思い浮かべる方は多いと思います。
けれど実際に気になるのは、こんなことではないでしょうか。
👉 なぜ海の上に建てられているのか
👉 何を祀っている神社なのか
👉 どう回ればいいのか
👉 大鳥居はいつ見えるのか
👉 観光地として有名だけれど、どんな気持ちで参拝すればよいのか
厳島神社は、ただ美しいだけの神社ではありません。
潮の満ち引きの中に身を置きながら、人が自然に対してどう向き合ってきたかを、そのまま形にしたような場所です。
私は元神職として、神社とは「願いをかなえる装置」ではなく、自分の内側を整える場所だと感じてきました。
厳島神社は、その感覚をとてもわかりやすく伝えてくれる神社の一つです。
海は、人の都合では止まりません。
潮も、風も、光も、刻々と変わります。
その変化の中に社殿を置いたこの神社には、自然を征服しようとする発想ではなく、自然の中に身を預ける日本人の感覚がよく表れているように思います。
この記事では、厳島神社の歴史やご祭神、見どころ、参拝の順路、授与品、季節ごとの楽しみ方、周辺スポットまで、初めての方にもわかるようにまとめます。
観光の情報だけでなく、
「なぜこの神社が、これほど多くの人の心を引きつけてきたのか」
という部分まで、元神職としての視点を交えてお伝えします。
厳島神社とは?海とともにある祈りの社

厳島神社は、広島県廿日市市宮島町に鎮座する神社です。
日本三景の一つ、宮島の中心にあり、海上に浮かぶように見える社殿と大鳥居で広く知られています。
1996年には、ユネスコ世界文化遺産にも登録されました。
ご祭神は宗像三女神
厳島神社のご祭神は、宗像三女神(むなかたさんじょしん)です。
厳島神社のご祭神
- 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
- 田心姫命(たごりひめのみこと)
- 湍津姫命(たぎつひめのみこと)
この三柱は、海や交通、安全、芸能、美しさなどとも深く結びついて語られる神々です。
天照大御神と須佐之男命の「誓約(うけい)」の場面で生まれたとされ、古事記・日本書紀にもその名が見られます。
海を渡る人にとって、海は恵みであると同時に、恐れの対象でもありました。
だからこそ、人はそこに祈りを向けたのでしょう。
厳島神社の神々は、自然を敬いながら生きるための心の置きどころを、今に伝えているように感じます。
宗像大社との深いつながり
ここで一つ、知っておきたいことがあります。
宗像三女神の総本宮は、福岡県宗像市にある宗像大社です。
宗像大社は「海の正倉院」とも呼ばれ、古来より大陸との航海安全を守ってきた、非常に歴史の古い神社です。
ユネスコ世界遺産にも登録されており、厳島神社と同じく、海とともに生きてきた神社です。
厳島神社と宗像大社は、離れた場所にありながら同じ三柱の神様で結ばれている、兄弟のような関係です。
九州の玄界灘と、瀬戸内海の宮島。日本の海の道は、こうして神々によってひそやかにつながれてきました。
👉 こう考えると、厳島神社は「広島の名所」というだけではなく、日本の海の歴史全体の中にある場所だとわかります。
弁才天と市杵島姫命の関係
厳島神社のご祭神を語るうえで、もう一つ触れておきたい存在があります。
それが弁才天(べんざいてん)です。
弁才天は、もともとインドの川の女神サラスヴァティーが仏教とともに日本に伝わり、芸能・音楽・学問・財運の神として広まった存在です。
神仏習合(しんぶつしゅうごう)とは
日本では古くから、神様と仏様を切り分けず、自然に重ね合わせて受け止めてきました。市杵島姫命と弁才天は、どちらも水にゆかりがあり、美しさや芸能と結びつく性格が似ていたため、いつしか同じ存在として親しまれるようになりました。
厳島神社は、「日本三大弁才天」のひとつにも数えられています。
これは、長い歴史の中で人々が積み重ねてきた感覚の表れです。
「弁才天」と聞くと難しく感じるかもしれません。
ですが要するに、「水と美と芸能を司る、やさしい女神」と覚えていただければ、まずは十分です。

創建の物語|佐伯鞍職が受けた神勅
厳島神社の創建は、社伝では推古天皇元年、593年とされています。
その始まりには、ひとつの伝承があります。
地元の有力者であった佐伯鞍職が、ある日、不思議な光に導かれ、御笠浜にたどり着いたといいます。そこで宗像三女神のお告げを受け、社殿を建てたのが厳島神社の始まりだと伝えられています。
「神様に呼ばれる」という感覚。
現代の私たちには少し不思議に響くかもしれません。
ですが、当時の人々にとっては、自然の出来事のひとつひとつが、神様からのしるしだったのでしょう。
何気ない風や、ふいに射した光、たまたま目に入った景色。
そういうものに「意味」を感じ取る感性が、まだ生きていた時代の物語です。
その後、平安時代末期になって、現在のような寝殿造風の海上社殿の姿を大きく整えたのが平清盛です。
清盛は厳島神社を篤く崇敬し、1168年ごろに大規模な造営を行ったと伝えられています。
このことで、厳島神社は政治・海上交通・文化の要として、全国的な存在感を持つようになりました。
平家納経が奉納されたことでも有名です。
これは、平清盛ら平家一門が一族の繁栄を願って奉納した装飾経で、美術的にも歴史的にも非常に価値の高いものです。
なぜ海の上に建てられているのか
厳島神社を語るうえで、もっとも多くの人が抱く疑問がここでしょう。
なぜわざわざ海の上に建てたのか。
宮島そのものが古くから神聖な島と考えられてきたため、島の地面を直接踏んで大規模な社殿を建てることを避け、海上に社殿を設けたとされています。
つまり、島そのものが御神体に近い感覚で捉えられていたのです。
この発想は、とても日本的です。
自然の一部を「ただの資源」として見るのではなく、そこに人が勝手に踏み込みすぎない。
少し距離をとり、畏れを持って向き合う。
私はこの距離感に、日本人の祈りの特徴があると感じています。
近づきすぎない。
でも、無関心でもない。
厳島神社の海上社殿は、そんな絶妙な向き合い方を形にしたものではないでしょうか。
厳島神社の物語と背景|なぜ人はこの場所に惹かれるのか

厳島神社の魅力は、建築の珍しさだけではありません。
この神社には、「人が自然の前でどう在るか」という大きな問いが流れています。
宮島は島全体が祈りの場だった
宮島は古くから「神の島」として大切にされてきました。
山そのもの、とくに弥山は修験道の場としても知られ、神と仏の文化が交わる場所でもありました。
つまり厳島神社は、単体で完結する神社ではなく、島全体の空気の中で感じる場所です。
本殿だけ見て帰ると、半分しか触れていないとも言えます。
参道、海、山、鹿、潮の匂い、風の音。
そのすべてが、この神社の体験の一部です。
平清盛と厳島神社
平清盛が厳島神社を篤く敬った理由には、海上交通の安全や一門繁栄への願いがあったとされます。
ですが私は、それだけではなかったのではないかと思っています。
海に開かれたこの場所には、都の権力だけではどうにもならない大きさがあります。
潮が満ちれば景色は変わり、嵐が来れば人は立ち尽くすしかありません。
どれほど力を持つ人でも、自然の前では謙虚にならざるを得ない。
だからこそ、この神社は時の権力者の心も引きつけたのでしょう。
他の神社にはない独自の魅力
厳島神社の独自性は、「境界」が見えることだと思います。
陸と海。
人の世界と自然の世界。
日常と非日常。
観光と祈り。
それらがきっぱり分かれているのではなく、潮のように混ざり合っています。
たとえば伊勢神宮は、森の中を進みながら内側へと整っていく感覚があります。
出雲大社には、ご縁や人生の節目に向き合う重みがあります。
一方の厳島神社は、流れの中で整う場所です。
立ち止まるよりも、満ちては引くものを受け入れる。
その感覚が、この神社ならではの魅力です。
象徴的な見どころ① 大鳥居|令和の大修理を経て

厳島神社を象徴するのは、やはり海上の大鳥居です。
- 高さ:約16.6メートル
- 重さ:約60トン
- 主な材:クスノキ
- 現在の鳥居は9代目(1875年・明治8年の建立)
驚かれるかもしれませんが、この大鳥居は地中に深く埋められているわけではありません。
自重と独特の構造によって、海の上に自立しているのです。
そしてもうひとつ、知っておきたいことがあります。
大鳥居は、令和元年(2019年)6月から行われていた大規模な保存修理工事が、令和4年(2022年)12月に竣工しました。
約3年半にわたって素屋根(カバー)に覆われていた姿が外れ、ふたたび瀬戸内の海に朱色の鳥居が浮かぶ景観が戻ってきています。
工事中に訪れた方は「大鳥居が見られなかった」と残念な思いをされたかもしれません。
けれど今は、修復を経てさらに長い時間を生き延びることになった大鳥居が、再び潮の満ち引きの中に立っています。
私はこの「修理を重ねながら受け継いでいく姿」自体が、日本人の祈りのあり方を映しているように思います。
何百年も同じ姿のまま立っているのではなく、傷んだら直し、また次の世代へ渡していく。
「変わらない」のではなく、「変えながら守る」。
それが、この国の神社が長く生き延びてきた理由なのだと感じます。
満潮時には海に浮かぶように見え、干潮時には歩いて近くまで行けます。
この鳥居は、見た目の美しさ以上に「境界」の象徴です。
ここから先は、ただの観光名所ではなく、祈りの領域に入っていく。
そう感じさせる力があります。
私は神社の鳥居を見るたびに、「今の自分は、どんな気持ちでくぐるのか」と考えます。
厳島神社の大鳥居は、とくにその問いを強く投げかけてくるように思います。
象徴的な見どころ② 回廊

朱塗りの回廊は、厳島神社の美しさを形づくる重要な要素です。
海の上に伸びる床板。
その先に見える社殿。
足元に感じるわずかな開放感。
歩いていると、自分が「地面の上の人間」ではなくなったような、不思議な感覚があります。
私はこうした浮遊感に、厳島神社の思想が宿っていると感じます。
人はいつも、確かな場所に立っていたいものです。
けれど人生には、足元が完全には固まらない時間があります。
転職、別れ、病気、迷い。
そういう時期に必要なのは、無理に答えを出すことではなく、揺れの中で姿勢を保つことかもしれません。
厳島神社の回廊を歩くと、そのことを身体で教えられる気がします。
知られざるエピソード|「穢れ」を遠ざけてきた島
厳島神社では、古くから島内での出産や死を避ける意識が強くありました。
これは、島の清浄さを大切にする考え方の表れです。
「穢れ(けがれ)」という言葉には、悪いことという意味よりも、「生命のエネルギーが大きく動いた状態」というニュアンスがあります。
誕生も死も、命の大きな揺れです。
だからこそ、特別な場所からは少し離して扱われてきたのです。
現在の生活感覚とは異なる部分もありますが、そこには「神聖な空間をどう守るか」という昔の人の切実さがあります。
現代では何でも便利に近づけます。
けれど、あえて一定の線を引くことで守られるものもある。
その感覚は、今の私たちの日常にも通じるのではないでしょうか。
厳島神社の基本情報
| 名称 | 厳島神社(いつくしまじんじゃ) |
|---|---|
| 鎮座地 | 広島県廿日市市宮島町1-1 |
| 電話 | 0829-44-2020 |
| ご祭神 | 宗像三女神 |
| 創建 | 推古天皇元年(593年) |
| 世界遺産登録 | 1996年 |
拝観料
| 区分 | 本社のみ | 宝物館共通券 |
|---|---|---|
| 大人 | 300円 | 500円 |
| 高校生 | 200円 | 300円 |
| 小中学生 | 100円 | 150円 |
拝観時間(季節により変動)
| 期間 | 開門〜閉門 |
|---|---|
| 1月1日 | 0:00頃より終日 |
| 1月2日〜3日 | 6:30〜18:30頃 |
| 1月4日〜2月末 | 6:30〜17:30 |
| 3月1日〜10月14日 | 6:30〜18:00 |
| 10月15日〜11月30日 | 6:30〜17:30 |
| 12月1日〜12月31日 | 6:30〜17:00 |
所要時間の目安
- 本社参拝のみ:約30〜45分
- 周辺含む標準コース:約2〜3時間
- 弥山やロープウェーも含めて半日〜1日
※時間・料金は変更されることがあります。参拝前に公式案内の確認がおすすめです。
アクセス完全ガイド
厳島神社へ行くには、まず宮島へ渡る必要があります。
その「ひと手間」自体が、この神社らしい体験です。
電車+フェリーで行く
ルート1:JR宮島口駅から(最も一般的)
| 手順 | 内容 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | JR山陽本線「宮島口駅」下車 | ― |
| 2 | フェリー乗り場へ徒歩 | 約5分 |
| 3 | JR西日本宮島フェリー/宮島松大汽船 | 約10分 |
| 4 | 宮島桟橋から厳島神社 | 徒歩約10〜12分 |
広島駅から向かう場合は、JR利用で約25〜30分が目安です。
ルート2:広電宮島口駅から
| 手順 | 内容 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 広島電鉄「広電宮島口駅」下車 | ― |
| 2 | フェリー乗り場へ徒歩 | 数分 |
| 3 | JR西日本宮島フェリー/宮島松大汽船 | 約10分 |
| 4 | 宮島桟橋から厳島神社 | 徒歩約10〜12分 |
広電はやや時間がかかりますが、街の流れを感じながら向かえるのが魅力です。
ルート3:広島市内から高速船
- 平和公園周辺などから宮島行きの高速船が運航される場合あり
- 所要時間は約45分前後
- 運航日や季節変動あり
荷物が多い方や、広島市内観光と組み合わせたい方には便利です。
車で行く場合
宮島島内には一般観光客向けの大規模駐車場は基本的にありません。車は宮島口周辺に停め、フェリーで渡る形になります。
- 料金目安:1日500円〜2,000円前後
- 連休・紅葉シーズン・年末年始は早朝から満車
朝早めの到着がおすすめです。
初めてでも迷わない参拝順路モデルコース
厳島神社は、ただ「本殿を見て終わり」にするのは少しもったいない神社です。
景色の変化ごと味わうと、印象が深くなります。
初心者向けモデルコース(約2時間)
- 宮島桟橋到着
- 表参道商店街を散策しながら移動
- 厳島神社参拝
- 大鳥居を遠望
- 大願寺・大聖院周辺を軽く散策
- 五重塔・千畳閣を外観または拝観
- 商店街で休憩
- 宮島桟橋へ戻る
時間配分の目安
- 桟橋から神社まで:15分
- 厳島神社拝観:40分
- 周辺散策:40〜50分
- 休憩・買い物:20〜30分
じっくり向けモデルコース(約5〜7時間)
- 朝の早い時間に宮島入り
- 干満の時間を確認し、大鳥居の景観を楽しむ
- 厳島神社参拝
- 宝物館見学
- 千畳閣・五重塔
- 大聖院
- ロープウェーまたは登山で弥山へ
- 下山後に表参道商店街で食事
- 夕方の海景色を見て帰路へ
時間配分の目安
- 厳島神社と周辺:2〜2.5時間
- 大聖院:30〜45分
- 弥山:2.5〜4時間
- 食事・休憩:1時間前後
👉 満潮と干潮の両方を体験できる滞在時間を取ると印象がまったく変わります。宮島観光協会の公式サイトで月別の潮汐表を確認しておきましょう。
厳島神社で見逃せない見どころ7選
1. 大鳥居

写真映えの代表格です。
満潮時は海に浮かぶように見え、干潮時は足元まで近づけます。
令和の大修理を経て、より長く受け継がれる姿となりました。修理を経た朱色は、また数十年先の人々の祈りを受け止めていくのでしょう。
2. 海上回廊

朱色の柱と床板、海の青との対比が美しい場所です。
歩いているだけで、気持ちが切り替わっていくのを感じる方も多いでしょう。
3. 本社本殿・拝殿
厳島神社の中心です。
参拝の際は、景観だけでなく、ここでいったん呼吸を整える時間を持つのがおすすめです。
4. 客神社(まろうどじんじゃ)

本社に先立って祀られる重要な摂社です。
建築的にも見応えがあり、見落としがちな場所ですが、神社の構成を理解するうえで大切です。
5. 能舞台

海に面した能舞台は、厳島神社ならではの景観です。
芸能と祈りが地続きであった日本文化を感じやすい場所でもあります。
6. 五重塔・千畳閣

厳島神社のすぐ近くにあり、あわせて訪れたい定番スポットです。
高台からの眺めもよく、宮島の全体像を感じやすい場所です。
7. 宝物館

平家納経をはじめとする文化財にふれられます。
「美しい神社だった」で終わらせず、歴史の厚みまで感じたい方にはおすすめです。
おすすめの授与品
授与品は、記念品というより「その日の気持ちを持ち帰るもの」だと私は感じています。無理に数を増やすより、心に残るものを一つ選ぶ方が、神社とのつながりは深くなることがあります。
1. 御朱印
- 内容:厳島神社の御朱印
- 初穂料:一般的に300円〜500円程度が目安
- 受付場所:授与所
- 受付時間:拝観時間内に準ずる
時期により書き置き対応になる場合があります。
👉 御朱印の受け取り方や扱い方に不安がある方はこちらへ。
2. お守り
- 種類:開運、交通安全、学業、健康、縁に関するものなど
- 初穂料:種類により異なる
- 受付場所:授与所
- 受付時間:拝観時間内
海の守りの気配がある神社なので、旅の安全を願う方にも選ばれやすい印象があります。
👉 お守りの返納や複数持ちで迷ったときはこちらへ。
3. おみくじ
- 初穂料:100円〜200円程度が目安
- 受付場所:境内所定場所
- 受付時間:拝観時間内
結果を当たり外れで見るより、そのとき自分に響く言葉があるかを読むと受け取り方が変わります。
4. 厳島神社ならではの授与品
- 宮島や大鳥居を意匠にした授与品
- 季節限定の絵馬や御朱印が頒布される場合あり
- 行事に合わせた特別授与品が出る場合あり
※限定授与品は年や行事で変わるため、現地案内の確認がおすすめです。
いつ参拝するのがよいか|季節別・時間帯別のおすすめ
春
桜の時期は島全体がやわらかい空気になります。
気候も穏やかで歩きやすく、初めての参拝には向いています。
夏
新緑と海の青さが映える季節です。
反面、暑さと観光客の多さには注意が必要です。朝早い時間がおすすめです。
秋
紅葉シーズンは非常に人気があります。
弥山や紅葉谷公園とあわせて訪れると、宮島の奥行きがよくわかります。
冬
空気が澄み、景色が引き締まって見えます。
比較的落ち着いて回りやすく、私は冬の宮島にも独特のよさがあると感じます。
時間帯別のおすすめ
| 時間帯 | 特徴 |
|---|---|
| 朝 | 人が比較的少なく、気持ちを整えやすい |
| 昼 | 潮位や景色の変化を楽しみやすい |
| 夕方 | やわらかな光で景色が美しい |
👉 観光としての満足度だけなら景観重視でもよいですが、参拝として味わうなら朝の時間帯はとてもおすすめです。
年間行事・お祭り
厳島神社では、年間を通して多くの祭典・神事が行われます。
代表的なものとしては、次のような行事があります。
- 歳旦祭(1月1日)
- 桃花祭
- 管絃祭(夏の代表的神事)
- 玉取祭
- 菊花祭
- 鎮火祭
- 年越祭
管絃祭|海の上で奏でられる平安絵巻
とくに管絃祭は、厳島神社を象徴する祭りです。
旧暦6月17日(毎年8月頃)に行われる、平安時代から続く海上の神事で、御祭神を御座船にお遷しし、雅楽を奏でながら瀬戸内海を渡ります。
管絃祭|海の上で奏でられる平安絵巻
夕暮れの海に篝火が灯り、雅楽の音が水面を渡っていく。御祭神を御座船にお遷しし、瀬戸内海を渡る神事。それはまるで、平安絵巻が海の上に再現されたような光景です。
祭りを見ると、「神社は建物ではなく営みなのだ」と実感します。それは元神職として、今でも強く感じることです。

周辺スポットもあわせて楽しみたい
厳島神社は、周辺を含めて体験が完成する神社です。
食事・名物
- あなごめし
- 牡蠣料理
- もみじ饅頭
- 揚げもみじ
- 島内のカフェ
観光スポット
- 弥山
- 宮島ロープウェー
- 紅葉谷公園
- 大聖院
- 五重塔
- 千畳閣
- 宮島水族館
休憩に向く場所
- 表参道商店街周辺の甘味処
- 海沿いのベンチ
- カフェスペースのある店舗
観光地として賑わっていても、少し脇に入ると、ふっと呼吸が戻る場所があります。
厳島神社に行くときは、予定を詰め込みすぎず、余白も持っておくとよいと思います。
知っておきたい豆知識
宮島という呼び名は通称
正式には「厳島」です。
「宮島」は、神を祀る島という意味合いから広く親しまれてきた呼び名です。
鹿は古くから神聖視されてきた
島内では鹿を多く見かけます。
古くから神聖視されてきましたが、野生動物なので、食べ物を与えたり、近づきすぎたりしない配慮が必要です。
大鳥居は地中に埋まっていない
見た目は浮いているようですが、自重と構造の工夫で自立しています。
昔の技術と自然条件への理解の深さがうかがえます。
潮位で神社の表情が変わる
同じ日に訪れても、数時間で景色が変わります。
厳島神社を一枚の写真で理解できない理由は、ここにあります。
「穢れ」を遠ざけてきた島の歴史
前述のとおり、宮島では古くから出産や死を島内で行わない慣習がありました。
これは、神聖な場所を守るために、命の大きな揺れを少し離して扱う考え方の表れです。
👉 「穢れ」と「祓い」の感覚については、こちらの記事も合わせてどうぞ。
→ 穢れと祓いとは?罪との違い・禊との関係を元神職がわかりやすく解説
参拝前に知っておきたい実用ポイント
服装と歩きやすさ
- 島内はよく歩きます
- 干潮時に鳥居まで行くなら歩きやすい靴が安心
- 夏は暑さ対策、冬は海風対策が必要
混雑しやすい時期
- 春休み
- ゴールデンウィーク
- 夏休み
- 秋の紅葉シーズン
- 年末年始
- 三連休
写真を撮るときの心構え
厳島神社は撮りたくなる景色が多い場所です。
ただ、参拝の場であることは忘れたくありません。
まず一度はカメラを置いて、目で見る時間を持つことをおすすめします。
写真はあとでも撮れます。
でも、そのときの空気を身体で受け取る時間は、今しかありません。
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宮島は意外と歩きます。長時間歩いても疲れにくいスニーカーは、旅の質を変えてくれます。
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元神職として、厳島神社で私が感じること
厳島神社に立つと、私は「整える」という言葉の意味を考えます。
整えるとは、何かを完璧にすることではありません。
揺れないようにすることでもありません。
潮は満ち、また引いていきます。
景色は同じ形に留まりません。
それでも社殿は、その変化を前提として建っています。
私はそこに、人の生き方のヒントを見るのです。
人生が安定しているときだけが良い時間ではありません。
迷っている時期にも、失っている最中にも、その時なりの立ち方があります。
厳島神社は、「変化のない平穏」ではなく、
「変化の中で崩れすぎない姿勢」を教えてくれるように思います。
元神職として神社にいた頃、祈りは特別な能力を持つ人だけのものではないと何度も感じました。
手を合わせること自体より、どう向き合うか。
何を願うかより、今の自分をどう見つめるか。
その感覚は、神社の参拝作法や、御朱印・お守りについて書いてきた時にも、いつも根底にありました。
厳島神社は、その考えを景色ごと伝えてくれる神社です。
海に浮かぶ社殿を見ていると、
「答えを急がなくてもいいのかもしれない」
と感じたことがあります。
満ちる時期もあれば、引いていく時期もある。
どちらかだけが正しいわけではない。
そう思えるだけで、少し呼吸が深くなる人もいるのではないでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q1. 大鳥居まで歩いて行けるのは何時頃ですか?
潮位がおおむね100cm以下になると、歩いて大鳥居の近くまで行けます。時刻は日によって異なるため、宮島観光協会の公式サイトの潮汐表で事前確認をおすすめします。
Q2. 雨の日でも参拝できますか?
参拝は可能です。雨の日は観光客が少なく、朱色の社殿がしっとりと色を深めて見えるため、独特の趣があります。ただし回廊が滑りやすくなるため、足元には十分ご注意ください。
Q3. 宮島に泊まる価値はありますか?
できれば一泊することをおすすめします。日帰り客が帰った夕方以降の島は、空気が一変します。潮の音と街灯だけが残る時間は、宿泊した人にしか味わえない宮島の表情です。
Q4. 大鳥居の修理工事は今も行われていますか?
令和元年(2019年)6月から始まった保存修理工事は、令和4年(2022年)12月に竣工しています。現在は素屋根も外れ、修理を経た大鳥居の姿を見ることができます。
Q5. ご祭神は誰ですか?
宗像三女神(市杵島姫命・田心姫命・湍津姫命)の三柱です。福岡県の宗像大社と同じ神様で、海と関わりの深い女神たちです。
宮島に泊まって、夜と朝の島を感じる
日帰り客が帰った後の宮島は、まったく別の表情を見せてくれます。海風と街灯と、潮の音だけが残る時間。それは宿泊した人にだけ味わえる、もう一つの参拝です。
こんな人に厳島神社はおすすめです
- 初めて有名神社をしっかり参拝してみたい方
- 宮島観光とあわせて意味も知りたい方
- 海や自然に触れながら心を整えたい方
- 人生の変化の中で、自分の立ち位置を見つめ直したい方
- 神社を「お願いの場所」以上に感じてみたい方
まとめ|海に浮かぶのは、社殿だけではないのかもしれません

厳島神社は、世界遺産として有名な観光地です。
けれど本当の魅力は、写真の美しさだけではありません。
海に浮かぶ社殿。
潮の満ち引き。
島そのものを敬う感覚。
人が自然の前で少し身を低くする姿勢。
そこには、日本人が長く育んできた自然を敬う気持ちと、心の拠り所としての祈りが、今も息づいています。
修理を重ねながら受け継がれる大鳥居のように、私たちもまた、傷を抱えながら、整えながら生きていきます。
もし今、少し疲れているなら。
もし今、先を急ぎすぎているなら。
厳島神社は、何かを強く教える場所というより、
自分の呼吸を取り戻すきっかけをくれる場所かもしれません。
海に浮かぶのは、社殿だけではないのだと思います。
私たちの心もまた、揺れながら日々を渡っています。
そのことを、少しやさしく受け止めたくなったとき。
厳島神社を訪れてみてください。
きっと景色だけではない何かが、残るはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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